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クラウドソーシングでもクオリティが最も大切な理由とは

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クラウドソーシングを利用するメリットの1つは、手頃な金額で仕事が依頼できることです。クラウドソーシングで仕事を受ける人の中には、フルタイムで働けないなどの諸事情があり、比較的安価な金額でも労働力を提供していることが背景にあります。クラウドソーシングを利用するユーザーは手頃なサービスであるというイメージを持っていますが、仕事を受託する人はどのように考えたらよいのでしょうか。クラウドソーシングにおける「クオリティ」、「コスト」、「デリバリー(納期)」について考えてみたいと思います。

クオリティはクライアントとコンサルタントの共通語

コンサルタントとクライアントはそれぞれの立場で、QCD(Quality, Cost, Delivery)をどのように考えているか見てみましょう。

コンサルタントとクライアントのQCD

上の図の通り、「Quality」はコンサルタント、クライアントにとっても共通の関心事項です。コンサルタントが成果物で提示する「クオリティ」はそのままクライアントに届きます。つまり、「クオリティ」はコンサルタントとクライアントの共通語です。 

一方、「Cost」や「Delivery」についてはどうでしょうか?

コンサルタントにとって「コスト」はタスクを完了させるために必要な時間数や調査費用によって構成される「原価」です。クライアントにとって「コスト」は、コンサルタントから提示された見積金額(価格)です。クラウドソーシングではコンサルタントからの見積金額に明細はないのが一般的ですので、クライアントにとって見積金額が依頼内容に対して妥当であるかを客観的に知ることは困難です。そのため、クラウドソーシングではクライアントの予算がより重要な判断基準になります。

クライアントは、予算より見積金額が安かったら品質が大丈夫かどうか不安に思うし、反対に予算より見積金額が高ければその金額が妥当であるかを疑問に抱きます。サービスマーケティングでいわれているサービスの特性である「Intangibility」が影響しています。コストはクラウドソーシングがいくら手頃な金額で利用できるからといって、価格に満足するクライアントはおらず、金額以上のクオリティが高い成果物が手に入って初めて満足することになります。

実際に満足度が高いクライアントからは、「このレベルの成果物が提供してもらえるなら30万円以上価値がある」といった言葉を多くいただきます。 

Delivery(納期)」についてコンサルタントは、クライアントからの依頼内容を成果物として提供するために必要なタスクを算出して、それに必要な時間数をベースに納期日を設定します。「納期」についてクライアントは、コンサルタントの処理スピードや依頼内容を達成するためのプロセスには知る術もありませんし興味もありません。クライアントにとっては、単に期日があるだけです。納期日より早く納品されても、品質が期待以上でなければ満足度は決して高くはありません。納期の前倒しも品質が伴わないとその効果はありません。

このようなQCDの観点から、クラウドソーシングでもクオリティが最も大切であることが明らかです。

クオリティの高さは売上・利益の向上やコスト低減につながる

クオリティを追求すると固定客になってくれるだけでなく、新しい顧客を紹介してくれる可能性が高まります。また、クオリティを高めると、顧客とのコミュニケーションの回数や時間が短縮でき、生産性も高まります。クオリティを高めるとコストが増えるのではないかと思う人もいるかもしれませんが、ここで述べている「クオリティ」は、英語でいう「Quality」であって「Grade」ではありません。

コンサルタントの要求以上の成果物を提供すると、それはグレードアップになり、確かに作業時間は増えるかもしれません。もちろん、クライアントによってはこのような対応をして固定客になってもらうことが得策の場合もありますが、今回のテーマでは対象にしていません。今回のテーマである「クオリティ」は、報告書のストーリーの分かりやすさや視覚化、レイアウトの統一感、編集のしやすさなどです。こういった要素に徹底的にこだわった報告書はクライアントからの信頼感を得ることでコミュニケーション量が減り、作業の生産性を高めることができます。

作業の効率化はクオリティが維持されていることが大前提

クラウドソーシングは通常の外注と比べて案件の単価が低いこともあり、受託側は作業を効率化しようとするインセンティブが強く働きます。クラウドソーシングでよくあるのが、インターネットにある公開をほとんどそのまま貼り付けている成果物です。これらは著作権的にNGであるため、クライアントの予算がかなり低かったとしてもクライアントが満足することはないでしょう。クオリティを無視した作業効率化はトラブルの原因になります。冒頭に述べたようにクライアントはコストについてコンサルタントと共通語を持っていませんので、クオリティを無視した作業効率化はクレームとなり、手直しが発生します。クラウドソーシングでもクオリティを維持した作業効率化を行うことが大切です。

まとめ

クラウドソーシングは手頃なサービスだから、求められているクオリティも通常の外注よりも低くて大丈夫だろうと考えてしまいがちですが、「クオリティ」はコンサルタントとクライアントが持っている共通語であるため、注意が必要です。一方、「コスト」や「納期」については双方に情報の非対称性があるため、コンサルタントが頑張っても「クオリティ」が期待以上でなければ、クライアントの満足度は高くないといえます。

WRITER筆者

MBA JOURNEY 編集部