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アンケートの質問項目と精度をブラシュアップしたい

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働き方改革を行うことで、従業員満足度を向上しようとする取り組みが最近増えています。ネットを利用することで負荷が少なく、定期的に満足度調査が実施できるようになりました。ただ、多くの企業ではアンケート結果を眺めて、悪かった項目を次は改善しようといった結論で終わっています。具体的なアクションまでに落とし込まれていません。また、アンケートで質問する項目も従業員満足度や顧客満足度に結びつく効果的な質問ができているでしょうか。今回の事例では、外部のコンサルタントを活用することで、企業が抱えるアンケート調査でよく生じる課題を統計的に解決します。

アンケートの質問の精度は向上していますか?

クライアントは、外食、エステ、美容業界で事業を多角化しています。事業の全てがサービス業であるため、店舗ごとに、従業員満足度、顧客満足度、店舗業績に重要経営指標(KPI)を設定してマネジメント力の強化に努めていました。サービス業では、従業員満足度が向上すると従業員の仕事やスキル習得へのモチベーションが高まり、顧客へのサービス品質が向上するといわれています。さらに、顧客へのサービス品質が向上したことで顧客満足度が高まり、顧客のリピート率が高まり、売上が拡大するという考え方があります。

クライアントは、サービス業のセオリーに基づいて、店舗ごとに「従業員満足度」、「顧客満足度」のアンケートを定期的に実施していました。クライアントは、店長のリーダーシップ、職場の雰囲気、人財育成の実態を知るためのアンケートも実施するほど、アンケートに熱心です。3つのアンケートで質問数は、合計で108個もあり、質問項目の中には「従業員満足度」や「顧客満足度」にあまり影響を与えない質問が多く含まれる可能性がありました。

コンサルタントの視点

従業員満足度アンケート、顧客満足度アンケート、各店舗の実態アンケート、それぞれのアンケート項目数を絞ることから着手しました。項目を絞るために、統計学の手法(単回帰分析)を用いて、従業員満足度や顧客満足度への影響度が高い順番に質問事項の優先度を付けます。例えば、従業員満足度への影響度が高い質問項目は、「モチベーション」や「全社システム」が強い結びつきがあり、顧客満足度への影響度が高い質問項目は、「顧客感動満足の体験」や「セルフイメージ」が強い結びつきであることが分かりました。

さらに、アンケート項目の分析では、「モチベーション」や「社内システム」を向上させるために必要な要因の特定まで行います。小要因が特定できたら、これらが現状では高い状態になるのか、低い状態にあるのかを判定します。低い状態(緊急改善項目)にあれば、それらの小要因を優先的に改善する必要があります。

単回帰分析の考え方

分析結果に基づいてアンケート項目を選定

従業員満足度、顧客満足度、店舗毎の業績について、統計学的手法(単回帰分析)を用いることで、108項目あった質問項目が、新しいアンケートでは49項目に削減できました。これは項目数を感覚で削減したのではなく、「従業員満足度」、「顧客満足度」、「店舗毎の業績」に直結する要因が高い質問項目に絞り込んだ結果です。

49項目に絞った新しいアンケートを定期的に実施します。以前に比べ、回答者の負荷は半分以下になりました。回答結果は、質問項目ごとに、「重要度」と「回答者の評点」を「単回帰分析」のマトリックス表で表します。マトリックス表の右下に位置する「満足度が低く」、かつ「重要度が高い」緊急改善項目を優先的に改善します。このように、統計学的な手法を用いることで、これまでのアンケート結果が良い悪いで一喜一憂していた状態から、具体的なアクションプランを立てることができるようになります。

まとめ

アンケートは、対面ではなかなか得られない従業員や顧客の本音が反映された貴重な情報です。しかし、正しくアンケートを行わないと誤った意思決定を下す危険性があります。また、アンケート結果から具体的なアクションに落とし込むことできるとPDCAサイクルが回せ、従業員満足度やサービス品質を継続的に強化していくことができます。

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WRITER筆者

MBA CROWDSOURCING 編集部