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<今を読み解くキーワード > ~ デジタル・ロジスティクス ~

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今を読み解くキーワードと題して、今回は「デジタル・ロジスティクス」をテーマに押さえるべきポイントを説明します。

隆盛するデジタル・ロジスティクス

皆様ご存じの通り、ロジスティクスは、サプライチェーンの一部として、原材料調達から生産・販売に至るまでの物流および関連情報を計画・管理する過程のことです。従来、ロジスティクスは、コストとしてアウトソーシングされることが一般的でした。しかし近年、逆にロジスティクスを内包する動きが出てきています。eコマースの巨人Amazonは、2015 年秋に米国でAmazon Flexというシェアリングエコノミー型の配送プログラムを開始し、荷主のAmazon自ら短時間で荷物を届けるための物流リソースを調達し始めました。さらに翌年にはAmazon Oneとして自社専用の貨物航空機を導入しています。このように、今まで脚光を浴びることの少なかったロジスティクスの分野で大きな動きが起こりつつあることを、皆様も感じられているのではないでしょうか。

背景には、IoT、AI、ARなどのデジタルテクノロジーの進歩があります。これらの技術を活用することで、製造・物流工場の生産性を大幅に向上させることが可能になってきました。具体的には、IoTによってサプライチェーンの各工程がデジタイゼーションされ、以前は取得が難しかった現場情報を得ることが可能になりました。集積された現場情報は、さらにAIによってデジタライゼーションされ、従業員のシフト調整や作業指示、配送ルートの最適化に活用され、コスト削減に活用されています。例えば、ピッキングプロセスを省人化する無人搬送車”Racrew”で有名な日立製作所は、物流倉庫をAI化することによって集品作業に要する時間を平均8%短縮しています。

物流ではなく、情報流として捉える

ここまで工場のコスト削減の観点からデジタル・ロジスティクスを見てきましたが、工場の外はどうでしょうか。

デジタルロジスティックス

現時点では実験段階ですが、ドローンや自動運転によって、ラストワンマイルの物流が無人で実現される時代が近い将来訪れると皆さんも予想されているでしょう。日本においても、2018 年を目途に山間部や離島においてドローンを用いた荷物配送の実現を目指す方針を国が打ち出しています。もちろんコストの観点から考えると、ドローンなどを活用した配送はすぐには採算が合いません。しかし、配送・納品工程をデジタル化する価値はコスト削減だけでなく、ラストワンマイル、すなわち顧客の現場情報を取得することにあります。顧客の現場を知ることは、顧客のインサイト獲得につながり、商品・サービスの価値向上、顧客のロイヤリティ向上に大変有用です。マーケティング調査という形で顧客調査を実施する企業は多いと思いますが、配送・納品と顧客情報取得を兼ねることができるのは、デジタル・ロジスティクスの大きな強みです。このように、ロジスティクスのデジタル化は、最適化によるコスト削減だけでなく、WTP向上に大きく影響を及ぼします。これまでは物理的に取得が難しかった情報も、テクノロジーの進化とともに”取れる情報”になってきています。大事なことは、ロジスティクスを単なる物流と見るだけでなく、情報流として捉えることです。自社がどこを強みとし、そのためにどの情報を押さえるべきなのか、改めて考えるタイミングが訪れています。

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WRITER筆者

MBA CROWDSOURCING 編集部