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【第1回】経営戦略としての紹介営業 <全4回特集>

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今回の特集では、顧客満足を新規顧客の獲得と企業の収益向上につなげるCRV(Customer Recommendation & Referral Value)に注目します。CS向上が企業の収益につながるのであれば、会社としてCS向上に集中でき、CSを上げることで利益が上がる素晴らしい経営を実現することができます。「経営戦略としての紹介営業」をテーマに全4回に分けて紹介します。今回はその第1回です。

はじめに

本特集では、CRV(顧客紹介・口コミ価値)が求められる背景を確認しつつ、CSを企業の収益にどうつなげていくのかのポイントを紹介させていただきます。では、なぜ、今、CRV(顧客紹介・口コミ価値)が経営において求められるのでしょうか。CRV(顧客紹介・口コミ価値)の考え方にあるCS向上が利益につながるというのは、当たり前ではないでしょうか。逆に、CS向上が利益につながらないとは一体どういうことなのでしょうか。

CRV(顧客紹介・口コミ価値)が求められている一つ目の理由は、商品・サービスを販売していく上で、BtoC、BtoBにかかわらず、口コミ・紹介の位置づけが非常に大きくなっているからです。二つ目の理由は、企業において重要だったCLV(Customer Lifetime Value:カスタマー・ライフタイム・バリュー:顧客から長期にわたって期待できる継続的な価値・売上のこと、以下、顧客生涯価値)だけの経営では、市場全体が成熟し成長率が低くなった中で、企業の成長を実現できなくなったことにあります。以下、説明します。

情報爆発による「既存メディアの衰退」と「増大した紹介・口コミの重要性」

下の図を見てください。これは、International Data Corporation (以下、IDC) の発表で、ITによる情報量が2020年には、35ZB(ゼタバイト)にも達するという発表です。ZBは聞き慣れない言葉ですが、東大の喜連川教授のレポートで紹介されている内容によると、1.8ZB で「世界中の砂浜の砂の数」というのですから、35ZB が想像を絶する量ということだけは分かります。

データ量の急激な膨張

 

流通情報量の推移

日本ではどうでしょうか。少し前の調査になりますが、総務省が実施した調査(下図)で、2001年に比べて、2009年には流通情報量が199倍になっています。それ以降の調査結果は見当たりませんが、IDCの調査結果と比べると、日本でもこれまで以上の早さで情報量が増えていくことが考えられます。

これが私たちにどういった影響を与えるのかを考えてみます。まず、情報量の圧倒的な拡大によって、2015年には20代~50代のテレビを見る時間が減少しています。1985年以降初めて短時間化したのです。また、以前から言われていることですが、新聞の購読率も10年前に比べると著しく低下しています。別の見方をすれば、テレビや新聞以外から情報を得られるようになったことの裏付けといえます。

ビジネスにおいても、同じ現象が起こっています。情報量に関して言えば、1つの会社、1人の経営者や責任者に入ってくる情報量は飛躍的に増えています。毎日届くメール量も、数年前とは比較にならなくなっています。情報爆発の中に、自分たちの取引先企業もいることになります。

これらの結果として、既存の広告宣伝の効果は減少します。消費者も、多くの情報が得られるようになったことで、より多くの情報に触れることより、自分にとって重要な情報を探すようになります。こうした中で、情報伝達の信頼性について揺るがないのが「紹介・口コミ」です。

下の図を見ると、4大メディアと言われてきたテレビ、ラジオ、新聞、雑誌からの情報よりも、「知人からの推奨」という、相手が見える「紹介・口コミ」による情報が信頼度の最上位になっていることが分かります。

情報ソース別の信頼度

まとめ

以上が、CRV(顧客紹介・口コミ価値)が重要になる一つのポイントです。本特集の第2回は、二つ目の内容、CLV(顧客生涯価値)だけでは企業が成長を果たせなくなったことによるCRV(顧客紹介・口コミ価値)の重要性が増加している背景について説明します。

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WRITER筆者

MBA CROWDSOURCING 編集部