トレンド

税理士にこそ知ってほしい!経営コンサルタントの世界

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

税理士を変えたい理由の1つとして挙がってくるのが、「経営相談などのコンサルティング能力が低い」という中小企業経営者からの指摘です。税理士は、経営やITのコンサル能力があると思い込んでいる中小企業経営者も少なくありません。税理士は税法の専門家であるため、コンサルティングは専門外ですが、中小企業経営者にとって身近な存在である税理士にコンサルティング能力を期待している経営者が多く存在しているのです。

 経営コンサルタントの資格

経営コンサルタントの資格としてよく挙げられるのが、「MBA」や「中小企業診断士」です。MBAは正しくは、資格ではなく学位です。Master of Business Administration(経営学修士)という専門職大学院(海外ではビジネススクール)を卒業すると経営学修士(MBA)の学位が与えられます。日本でも欧米でも、実務経験を原則3年以上有していないと入学できないのが一般的です。

社会人を対象にした経営大学院では、上場企業の元経営幹部や起業家等実務の世界で実績を残した教授陣が指導を行います。「経営戦略」、「財務会計」、「マーケティング」、「組織人事」などの基礎科目加え、「リーダシップ」、「グローバルマネジメント」、「起業・新規事業計画」、「企業倫理」などの選択科目を学びます。また、「ロジカルシンキング」、「問題解決力」、「経済洞察力」などの考える力も養います。MBAは学位なので、経営大学院(ビジネススクール)ごとにカリキュラムや難易度は異なります。そのため、どこの経営大学院を卒業したかで、能力の差が大きい場合があります。

一方、中小企業診断士は国家資格であり、試験合格による試験取得が一般的で、1次試験(7科目:経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策)と2次試験(筆記試験と口述試験)を通過することが必要になります。1次試験合格者のみが受験資格を得ることができる2次試験は、中小企業が抱える課題を解決する事例問題が出題されるため、知識に加えて論理的思考力や分析力が求められます。詳細な試験制度について、興味があれば中小企業診断士協会のホームページ(http://www.j-smeca.jp/contents/007_shiken.html)をご覧ください。

 経営コンサルティング業界

コンサルティングファームを分類すると、「国内資本系」と「外国資本系」に大きく分類されます。国内資本系は、さらに「個人経営コンサルタント」「シンクタンク系」「国内独立系」の3つに分類できます。外国資本系は、「戦略系」「会計事務所系(IT系)」「人事系」の3つに分類できます。

「戦略系」では、外資系コンサルティングファームが多く、マッキンゼーやボストンコンサルティングなどが該当します。「シンクタンク系」では野村総合研究所や日本総合研究所が該当します。「国内独立系」では船井総研、タナベ総研、日本能率協会コンサルティングなどがあります。「会計事務所系」では、デロイト・トーマツコンサルティングなど4大監査法人系列があり、「IT系」では日本IBMやアクセンチュアなどがあります。

コンサルティングファームの分類

戦略系は、大企業をクライアントとしており、企業の戦略指導を中心とした経営コンサルティングファームです。多くは欧米に本社があり、日本には支社として進出しています。そのため、大手日本企業の海外展開で強みを発揮しています。

シンクタンク系は、戦略系とほぼ同様の課題を扱いますが、官公庁がメインのクライアントです。国内独立系は、戦略系よりも規模の小さい企業を主要なクライアントとしています。会計事務所系、IT系は、会計ソフト、販売管理ソフトなどを中心としたERPパッケージの導入、業務効率化を提案するところが多いです。

ただし、これらのコンサルティングファームが対象とする企業のほとんどは大企業、中堅企業であり、日本の事業者の9割を占める中小・零細企業に対する支援は、地場の税理士が担っているといわれています。

コンサルティングファームのポジショニングマップ

コンサルタントに求められること

コンサルタントに必要な能力は下記のように各種挙げられます。

・経営全般に関する幅広い知識

・クライアントの現状や重要経営課題を整理するヒアリングスキル

・業務効率化を図るためのITスキル

・わかりやすく提案するプレゼンテーションスキル

・課題を解決するため論理的思考力

上に挙げたコンサルタントの能力は、クライアントの経営相談を解決するための必要条件ではありますが、クライアントからはこれらのスキルを求められているわけではありません。クライアントが求められているのは、アウトプットされる“成果”です。コンサルティングには、一定の理論や成功事例などはありますが、社会情勢や消費者の嗜好の変化といった変動要因が複雑に絡み合うため、過去の成功体験がそのままでは通用しないことが一般的です。コンサルタントは「答えのない課題を解決する」ことが求められます。

まとめ

中小企業の経営者は、税理士にコンサルタント能力を期待しています。会計参与や電子申告などの新しい制度も次々に登場し、決算対策や資金繰り、株主対策、金融機関対策、事業の再編、社会保険について、労使関係の悩み、取引先との交渉など、多岐にわたる経営者のニーズに柔軟に対応していかなくてはなりません。記帳代行業務や決算書作成業務だけでなく、提案力や表現力(アウトプット)、論理的思考力、決断力、行動力、問題解決能力など、経営全般に関わっていける実践力がこれからの税理士にとって必要な能力になっていきます。

MBAバンク資料請求ボタン

MBAバンクへのリンク

WRITER筆者

MBA CROWDSOURCING 編集部