事例・特集

【第1回】企業の持続的成長を保証してくれるもの <全4回特集>

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今回の特集では、リーマンショックや消費税増税などの外部環境の変化に適応するためのポイントは何かを、実際の企業事例を挙げながら、全4回に分けてご説明します。今回はその第1回です。

 はじめに

持続的な成長というテーマに関連した国税庁の調査を見てみると、日本の企業は60%が1年以内に倒産し、5年以内に80%が倒産します。ロイヤルダッチ・シェルの調査では、1970年にフォーチュン500にリストアップされた企業のほぼ3分の1がわずか13年後には、買収・合併・倒産などによりリストから消えてしまっています。

また、「エクセレント・カンパニー」(英治出版)で超優良企業の8つの条件を抽出する対象となった43社のうち、少なくとも6社が消滅し、「エクセレント・カンパニー」が特に優良とした14社のうち、12年後の「ビジョナリー・カンパニー」(日経BP)で再選されたのは6社でした。この現実を見ても、持続的成長を実現するということがいかに難しいのかを感じさせてくれます。

持続的成長が難しいという状況に加えて、今の企業の外部環境を考えてみます。下の図を見てください。国と地方の膨大な借金による金利上昇のリスクは、企業が持続的成長を実現していく上で、間違いなく大きな問題となってくることが予想できます。日本市場が成長していた時代から、成熟し停滞している時代が過ぎ、今後、経営者は日本市場が急激に悪化する可能性に備えていかなければならない状態になっています。これまでも難しかった持続的な成長は、今後、ますます実現が難しくなっていきます。

国および地方の長期債務残高

今回の特集では、難しい持続的成長を実現するポイントが何かという内容について考えてみます。持続的成長については、経済産業省の官僚が書いた「日本の優秀企業研究」(日本経済新聞社)、一橋大学名誉教授である野中教授監修のもとリクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所が書いた「日本の持続的成長企業」(東洋経済新報社)など、素晴らしい書籍があります。

しかし、これらは掲載されている事例が大企業ということもあり、中堅・中小企業が見たときに、距離を感じる内容になっている部分があります。その点で、今回の特集は、中堅・中小企業で数百社にわたる企業を見てきたコンサルタントの検討結果をもとに、持続的成長企業の特徴を整理したところに特徴があります。読者の皆様の経営のヒントになれば幸いです。

リーマンショック、消費税増税後の消費不況にもびくともしない経営

今回、持続的な成長企業として、ファイブイズホームを一つの例として取り上げます。ファイブイズホームは、埼玉県の北部にある行田市に本拠地がある会社で(下図)、分譲住宅の施工・販売を事業として展開している会社です。この会社の特徴は、創業以来35年間、赤字ゼロで、リーマンショック後の厳しい環境の中でも売上を伸ばし、消費税増税後の消費不況の中でも売上を維持するなど、まさしく持続的な成長を実現している会社といえます。

ファイブイズホームの展開エリア

ファイブイズホームが所属している住宅業界は、ピーク時の1987年の172万戸から、2014年の88万戸へと市場が半減しています。また、下図のように、リーマンショック後に市場が急激に悪化しました。住宅事業はストック型事業とは違い、フロー型事業(売上の増減が激しく、取引が一度きりというビジネスのこと)ですので、毎年の数字はゼロから構築していく必要があります。そういった特徴もあって、リーマンショック時の市況の急激な悪化により、2008年の上場会社の倒産件数は過去最高の45社でしたが、そのうちの半数がファイブイズホームと同じ事業か、周辺事業を展開していた会社でした。

新設住宅着戸数

まとめ

ファイブイズホームは、この急激な市場の悪化にもかかわらず、持続的な成長を実現した会社です。リーマンショックのときに仕事がなく、非常に不安を感じられた経営者・経営幹部の方は多いのではないでしょうか。なぜ、ファイブイズホームはそういった市場の影響を受けずに成長できたのか。次回は、このファイブイズホームの特徴を取り上げつつ、一方では、住宅業界以外の企業の取り組みを紹介することで、中堅・中小企業の持続的成長が実現するポイントを紹介していきます。

MBAバンク資料請求ボタン

MBAバンクへのリンク

TAGS

WRITER筆者

MBA CROWDSOURCING 編集部